こんにちは、つたちこです。
前回、五島列島の旅の基礎情報をお伝えしました。
今回の旅は、「五島列島の北部に位置する中通島を中心に上五島町を回るプラン」に決定しました。
上五島町を中心とした1泊2日個人旅行プランを作るときのポイントをお伝えします。
決めないといけないこと
「ふらりと訪れてその時の気分で行先を決める」……なんていう旅も素敵ですが、今回の旅行は高齢の母も一緒なので、出来るだけ安全に、現地で困らない様にと、十分に下調べしていこうと考えていました。
最低限、決めないといけないことは、以下の4つでした。
- 絶対行きたいところのピックアップと場所の確認
- 宿泊施設
- 船の着港、船の種類、乗船時間を決める
- 島内の交通手段
1)絶対行きたいところのピックアップと場所の確認
今回の旅のテーマは「隠れキリシタンの里を訪ねる」です。
母のリクエストでもありますが、せっかくなら私自身も興味あるところに行きたいところです。
そこからピックアップした「絶対行きたいところ」はこちらの3か所。
- 世界遺産候補「長崎の教会群とキリスト教関連遺跡」の一部「頭ヶ島天主堂」
- 船でしか行けない潜伏キリシタンの祈りの場「キリシタン洞窟」
- 五島名物「五島うどん」を食べる
この3か所(というか、2か所と1食)は、何としてもプランに組み込む必要があります。
地図で場所を確認すると、「頭ヶ島天主堂」は島の比較的北部、「キリシタン洞窟」は南西に隣接する「若松島」から船が出ていることがわかりました。中通島から若松島へは、車のまま橋を渡っていけるようです。
「五島うどん」のお店は数か所ありますが、いずれも中通島北部方面にあるようです。
さて、せっかく行くのに3か所だけなんて、もったいないことはできません。
次点として、「できれば行きたい」という場所もピックアップしました。
- 青砂ヶ浦天主堂
- 冷水教会
- 大曽教会
- 鯛ノ浦教会
- 矢堅目公園の夕日と、矢堅目の駅物産館
旅のテーマは「隠れキリシタンの里を訪ねる」なので、各地の教会(たくさんあります!)は、できるだけ訪問したいところです。
矢堅目公園は、「東シナ海に沈む夕日が見られる絶景スポット」とのことで、時間帯が合うようならぜひ行ってみたい。
これらをどういうルートで組んでいくか、この後さらに検討していきます。
2)宿泊施設
次に決めないといけないのは宿泊場所。
島内にあるのは、ほとんどが民宿のような小型の旅館か、古そうなビジネスホテルでした。
参考:丸ごと体験!!新上五島「泊まる」
http://shinkamigoto.nagasaki-tabinet.com/stay/
せっかく行くのに、もうちょっと素敵な感じなのはないかしら……といろいろ探していたところ、「ホテル マルゲリータ」というリゾートホテルを発見。
場所は島北部の細長い半島内と、少しメインエリアから離れたところにありますが、現代的な印象で、とてもおしゃれな感じ。
天然温泉&露天風呂もついているそうです。
ホテル マルゲリータ 公式サイト
http://www.margherita-resort.jp/
朝夕の食事付きで1泊17,000円ほどでした(2017年11月時点)。
他の宿泊施設は5,000円~7,000円程度のところが多いので、1泊17,000円は高め。
でも、このホテル マルゲリータの公式サイトを見る感じ、ホテル設備も食事もかなりクオリティが高そう。
東京近郊の箱根などの温泉旅館だと17,000円は普通レベルですが、五島でこの価格はかなり期待できそうです。
せっかくなので、こちらを予約することにしました。
これで、宿泊場所が決まったので、前後の行動予定を詰めていきます。
3)船の着港、船の種類、乗船時間を決める
前回の記事でも書きましたが、上五島町の中心の島「中通島」へのアクセス方法は、船のみ。
佐世保港からのルートと、長崎港からのルートがありますが、それぞれに到着する港が違っていて、船の種類も違います。
- 長崎港 → 鯛ノ浦港(島中央部):高速船
- 長崎港 → 奈良尾港(島南部):フェリーとジェットフォイル
- 佐世保港 → 有川港(島北部のつけね):フェリーと高速船
今回の私たちは、長崎市内にも観光で立ち寄る予定だったので、長崎港利用が先に決まりました。
次に長崎港からの場合、1)鯛ノ浦港と2)奈良尾港の2つの行き先があります。
時間を有効に使いたいので、フェリーという選択肢は消えました。
高速船だと、1)鯛ノ浦港まで1時間30分。運賃は、往復10,260円(1名あたり)。
ジェットフォイルだと、2)奈良尾港まで1時間15分。運賃は、往復10,860円(1名あたり)。
差は15分ほどで、運賃もそれほど大きな差ではありません。
そうなると、選択方法は2つ。
- ちょうど良い時間に出発する船があるか
- どちらの港の方が自分たちにとって使い勝手がいいか
それぞれ違う船会社が運営しているので、それぞれの時刻表を見てみます。
- 五島産業汽船(鯛ノ浦港発着)の高速船時刻表
http://www.goto-sangyo.co.jp/line/line01
長崎発は、8:00、13:00、17:00 の3便。
※お盆の時期のみ、1便増発するそうです。また、時期によって時間の変更ありです。 - 九州商船(奈良尾港発着)のジェットフォイル時刻表
http://www.kyusho.co.jp/kouro/n-jf.php
長崎発は、14:00、15:20 の2便。
※時期によって時刻表が細かく分かれていますので、実際の予約の際にはご注意ください。
私たちは、当日朝に福岡から長崎まで車で移動する予定だったので、朝便は厳しい。
かといってあまり遅い時間でも、その日に何もできなくなってしまいます。
なので、今回は「五島産業汽船(鯛ノ浦港着)の高速船 13:00の便」に乗船することにしました。
東京など九州圏外から移動する場合も、朝の飛行機で長崎空港まで移動できれば、昼の船に乗れると思います。
また、到着場所の鯛ノ浦港は、中通島中央部に到着するので、宿泊施設の島北部方面にも行きやすいな、と考えました。
同時に帰りの船も予約しました。
往復で買ったほうが安いので、同じ「五島産業汽船(鯛ノ浦港発)の高速船」で。
帰り便も1日3便。
できるだけ長く島に滞在したいので、最終便で帰りたい。
時刻表を調べると、鯛ノ浦発時間が、8:00、11:00、17:00……と調査したとき(9月ごろ)に書いてあったのですが、実は「冬季ダイヤ」が存在するので注意が必要です。
私たちが行った11月は「冬季ダイヤ」の期間。
冬季は最終便が1時間早まり、16:00発でした。
間違えると長崎市内に戻れません。季節ダイヤの違いには気を付けてくださいね。
これで、行きと帰りの船が決定して、島に滞在できる時間が決まりました。
行き:長崎港13:00発 → 鯛ノ浦港14:40着
帰り:翌日、鯛ノ浦港16:00発 → 長崎港17:40着
ということで、約25時間ほどの島内滞在予定です。
4)島内の交通手段
最後に、島内の移動手段です。
中通島の公共交通機関はバスのみで、本数も少ないと聞きました。
なので、ここは迷わずレンタカーを借ります。
借りたのは、高速船を運営する「五島産業汽船」。
ちょうど「レンタカーパック」があったので、それを利用することにしました。
船着き場で車が借りられるので、便利です。
レンタカーを手配するときに電話でお願いしたのですが、その時聞かれたのが「ガソリンですか? 電気ですか?」という選択肢。
「あ、電気自動車もあるんだな」とその時初めて認識したのですが、私は電気自動車に乗ったことがありません。
なので、電気自動車の充電池がどのくらいの距離・時間持つのか、また、島内に充電ステーションがどの程度あるのかが全く予測できません。
「電気自動車だと、どのくらいの距離を走れるものですか?」と聞いてみたものの、受け付けてくれた方もあまり要領を得ない感じ。
うーん、困りました。
万一にでも途中で電池切れで動かなくなっちゃう、なんてことは絶対避けたい。
不安だったので、今回は「ガソリン車でお願いします」と予約をお願いしました。
(後日談)
実際に行ったときに貸し出された車は、ハイブリッドカーでした。
また、電気自動車用の充電ステーションも、ホテルや観光施設など、島内の各所で結構見かけました。
電気自動車が島の生活の中に浸透しているんですね。
なので、レンタカーは電気自動車でも問題なかったかもしれません。
これで、最初に押さえるべきことを決定しました。
ここからさらに詳細に、日程中のルートを検討していきます。
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行程プランを作るときに注意したい3点
島への到着時間から、島を離れるまでの時間をどう組み立てるか。
どうすれば効率よく「絶対行きたいところ」に行けるか。
その計画を立てていきますが、気を付けたほうがよいこと3点をお伝えします。
1)島内の移動に時間がかかる
「五島は予想よりも大きい」ということは前の記事にも書いたのですが、「中通島」単体も、かなり大きな島です。
最初は「1時間もあれば車で1周できちゃうくらいかな?」なんて思っていたのですが、とんでもない誤解でした。
たとえば、中通島は南北に長細い島ですが、最北端から最南端まで測ると、約55km。
車で1時間半~1時間45分程度かかる想定です。
もちろん高速道路はありません。
ほとんどの道は、くねくねとした海岸線や山道を走ることになります。
また、島の形が複雑で、半島のように突き出したところも多いので、行きたいところ2か所の間をショートカット! のようなこともできません。
思い付きであちこちに移動していたら、時間ばかり取られてしまいそう。
同じ方面にある行きたいスポットを、まとめて訪ねる作戦が必要です。
移動時間や距離を測るには、Googleマップがとても便利。
行きたい場所を調べ、「ルート・乗換」で2つの地点の距離やおよそのかかる時間を調べることができます。
2)教会は生活拠点でもあるので、案内が少なめ
今回見学したい教会は観光に特化した施設ではなく、島に住む人たちが日常的に礼拝に訪れる場です。
そのため「見学は可能」ですが、あくまで生活の場であるため、派手な看板や観光案内などはほとんどありません。
実際、「目指している教会はこのあたりのはずなんだけどな……?」と探していても、うっかり見落としてしまうこともありました。
観光地ではないことを念頭に、しっかり地図や周りを確認しながら行くほうがよいです。
3)ランチタイムをすぎるとお昼が食べられない
これは実際に行って失敗してしまったのですが、ランチタイムを逃すとお昼を食べられる場所が激減します。
観光地だから、と甘く見ていた私が悪かったのですが……。
お昼どき、「まだそれほどおなかが空いてないね」と、あとから食べようとしたのです。
観光地なら、たいてい名物(ここでは五島うどん)を食べられる場所があるよね? という思い込みがありました。
ところが、14時過ぎに食事ができるところを探そうとしたら、どこも軒並み「営業終了」。
現地の方に聞いてみましたが、「この辺はもうやってないねえ」と言われてしまいました。
うろうろと探した挙句、ようやくラーメン屋さんを見つけて、そこでお昼を食べることに。
なので、実は私たち、名物の「五島うどん」を現地で食べ損ねています……(悲しみのあまり、お土産用の五島うどんをたくさん買ってきました)。
くれぐれも、お昼はお昼時に食べるように計画を立てましょう!
ちなみに、町の中心部にある観光案内所でも五島うどんが食べられるのですが、なんとその日は定休日でした。お店のお休みにも注意が必要です。
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実際に私たちが行ったルートを紹介します
1日目
8:00 自宅(糸島)発
11:00 長崎港着 長崎市内でランチ
13:00 高速船で中通島へ
14:40 中通島、鯛ノ浦港着
・冷水教会
・矢堅目の駅物産館(お土産購入、塩ソフトクリーム)
・矢堅目の夕景 日没が17:15ごろ。
18:00頃 ホテル マルゲリータ 到着
中通島の鯛ノ浦港に着いてからレンタカーの手続きなどをして、15時ごろに港を出発する想定です。
時期は11月下旬でしたので、日の入りが17時過ぎ。
また、教会の見学は17時まで、というところが多いです。
おそらく、日没後は真っ暗で何も見えなくなってしまうので、それまでにホテルについていたいところ。
初日に観光で使える時間は、2時間ほどです。
2日目
9:00 ホテル発
・青砂ヶ浦天主堂
10:00 頭ヶ島天主堂 ※見学予約が必要で、時間指定していました。
12:00 昼食
13:00 キリシタン洞窟への乗船 ※船の予約が必要で、時間指定していました。
14:00 キリシタン洞窟から帰港
以下の教会は、途中、タイミングがあれば見る。
・中ノ浦教会
・大曽教会
・旧鯛之浦教会
15:30 レンタカー返却
16:00 中通島、鯛ノ浦港発
17:40 長崎港着
2日目は、朝9時から行動開始したとして、帰りの船の時間が16時。
レンタカーの返却手続きや、船のチケットの受け取りなどが必要だったので、余裕を見て15時過ぎには鯛ノ浦港に戻っていたいところ。
つまり島で行動できるのは、約6時間。
絶対行きたい「頭ヶ島天主堂」と「キリシタン洞窟」を余裕持って時間設定し、その合間にその他の行けそうなところに行く、という作戦です。
計画は時間に余裕をもって!
島外から入って、1泊2日で回ろうとすると、想像以上に時間がなくて焦りました。
限られた時間をできるだけ有効活用しつつ、どうしても外したくないところを組み込むことを考えていくのは、さながらパズルのようでした。
やっぱりカギになるのは移動時間です。
こことここの間の移動にどのくらいかかるか? を、常にGooglemapで確認しながら、組み立てていきました。
まあ、実際にはこの通りには行かなかったのですけどね!(五島うどん食べ損ね事件)
せっかくの個人旅行なので、パックツアーにはない余裕がほしいもの。
ぎゅうぎゅうに詰め込まず、「ここは行けたら行く」くらいのバッファを持っておくのがおすすめかな、と思います。
この後は、実際に行ってきたそれぞれの場所を紹介します!
(続きます)
参考
長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産
http://kirishitan.jp/