こんにちは、つたちこです。
福岡・博多の夏は、山笠(やまかさ)とともに始まるのだそうです。
せっかくの福岡暮らし、日本を代表するお祭りでもある、博多祇園山笠を観に行ってみました。
「博多祇園山笠」とは
私たち夫婦は「山笠」について、まったく知識がありませんでした。
有名なお祭り、なんだよね? くらいな……。
事前に情報を仕入れるのに役に立ったのがこちらのサイト。
個人的には「山笠ナビ」が、かゆいところに手が届く情報で、わかりやすくて助かりました。
ざっくりとまとめると、こんな感じで認識しました。
- 毎年7月1日~15日に行われるお祭り
- 770年以上におよぶ伝統あり。鎌倉時代から続く神事とのこと
- 2016年にユネスコの世界無形文化遺産に認定された
- クライマックスは15日の早朝4:59スタートの「追い山」
- 実際に山(おみこし)を人力で運ぶ「舁き山(かきやま)」と、飾りを楽しむ巨大な「飾り山」がある ※一部飾り山を運ぶのもあり。
- 延べ人数100万人以上の人出!
- 勢い水(きおいみず)と呼ばれる水をぶっかけながら動くので、見学者も水をかけられる恐れあり
とはいえ、実際がどんなものか、今一つピンときません。
見てみたい! とはいえ、いきなり15日「追い山」に行くのはなんだか勇気がいります。
そこで、14日の「流舁き」と「飾り山」の見学に行ってみました。
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「飾り山」見学
「山笠ナビ」の博多祇園山笠山小屋マップを参考に、見て回ります。
地下鉄の中洲川端駅を出発点に、6か所ほど見て回りました。
それぞれ、山小屋と呼ばれる屋根付きの建物の中に展示してありました。
どれもめちゃくちゃ華やかで、作りこみが丁寧。とてもかっこいいです。
全部は見切れませんでしたが、見ごたえあるものばかりです。
十三番山笠 博多リバレイン
中洲川端駅から出てすぐのところにあります。
圧倒される大きさです!
ここで初めて知ったのですが、飾り山は物語あるいは史実がモチーフになって、前後2パターンの飾りがあるのですね。
こちらは「湊川の戦い」でした。登場人物(人形)は、後醍醐天皇、楠木正成、足利尊氏など。
すみません、日本史も疎いもので、あまり詳しくは語れません……。
後ろ側は「花咲か爺」と平和な感じ。わんこがかわいいです。
十番山笠 川端中央街
商店街のアーケード内に飾られていました。日陰は涼しくて助かります。
NHK大河ドラマ「おんな城主直虎」モチーフでした。
直虎だらけ……?
逆側は、テレビ局のキャラクターたちみたいです(民放番組をめったに見ないのでわからない私たち……)。
リバレインの勇壮な感じとは一変した面白系。こんなファンシーなタイプもあるのですね。
八番山笠 上川端通
十番と同じく商店街のアーケード内に飾られています。
でました! スターウォーズモチーフ!
ニュースにもなっていたので、見たかったのです。
R2D2とか、C3POとか、和風背景なのになじんでるのが面白い。
逆サイドは「決戦倶利伽羅峠」だそう。牛2頭がどーんと迫力あるデザインです(こちらが正面かな)。
この飾り山笠は、こんなに巨大なのに、担いで走るそうですよ。すごいな!
※後でテレビで「追い山」を見たら、スターウォーズが煙を吐きながら走ってました。
番外 櫛田神社
櫛田神社は、「追い山」のスタート地点。
ここには年中無休で「飾り山」が飾ってあって、いつでも見られます。
前日ということもあり、有料の桟敷席が設置してあり、座席で囲われるように「清道(せいどう)」という柱が立っていました。ここを「舁き山」がぐるりと回るのだそうです。
九番山笠 キャナルシティ
商業施設キャナルシティの地下の広場に飾られています。
「ぶんぶく茶釜」モチーフ。
逆サイドはめずらしく着物姿の女性の人形がいました。「助六」とあったので、歌舞伎モチーフなのかな。
ここで夕ご飯を食べたのですが、食後観に行ったら演歌歌手のショータイムがありました(山笠の歌を歌っていました)。
一番山笠 中洲流
中洲のど真ん中にありました。歓楽街なので、周りにキレイなお姉さんやおにいさんがたくさん。
夜になってしまったので、ライトアップされてましたが、それもまたきれいですね。
「桶狭間の合戦」と「本能寺の変」がモチーフ。
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舁き山が動くところを見たい
飾り山はきれいだけども、やっぱりお祭りのメインは「舁き山」を動かしているところではないでしょうか。
本日14日の「流舁き」は、本番「追い山」の12時間前に最終調整(練習)として行うものなのだそうです。
16時くらいから町のいろんなところから、「おっしょい、おっしょい」というかけ声が聞こえてきました。
法被にふんどし姿の老若男性陣が小走りしていくのが見えたので、追いかけてみました。
追いかけた先には「舁き山」がありました(今回たどり着いたのは「恵比寿流」の舁き山でした)。
しばらく待っていると、「流舁き」が始まったようです。
最初に子供たちが走り出し、その後、山を担いだ男たちがどどどー!! と道を進みます。
これが、早い!!! 想像以上の速さです。
ものすごい人数が、舁き山を中心に道を進んでいきます。
1つの舁き山に係わる人は少なくて600人、多いと1000人規模だそうです。怒涛のように道を走っていきます。
見ていると、あっという間にいなくなってしまいました。
東京のおみこしは、その場にとどまるかのように、前に進むスピードをなるべく抑えて、まどろっこしいくらいゆっくり進むイメージがあります。
でも、舁き山は、ものすごいスピード感!!
後で知ったのですが、舁き山を担ぐ人とは別に、後ろから進行方向に押す担当の人たちがいるのだそうです。
しばらく待つと、別の道からまた戻ってきました。
この辺をぐるぐる回るのかな? と思いきや、また別の方向に曲がっていきます。
結構いろんなところを走るんですね。
自分の立っている真横を走っていくときの熱量がすごい。
おもわず声が出てしまうほど、すごい迫力でした。
道端には水を入れる大きなバケツが用意されていて、近所の人や一緒に走っている人たちがバケツで、足元や担ぐ人たちに向かって勢いよく放水。
これが「勢水(きおいみず)」。
なるほど、これは見学者にカッパが必要なわけです。
その後、走り去っていった舁き山を追いかけるように駅のほうに戻ると、片側3車線の大通りの交通が止められていました。
いわゆる「警察による交通規制」がかけられているのではなく、舁き手のうちの交通整理メンバーが、交差点に仁王立ちになって、車を止めているのです。
バスの運転手さんも頬づえをついて、舁き山が通り過ぎるのをのんびり待っています。
なんなんだ、この「山笠だから、しかたないよね」感。
博多って、東京でいえば「東京駅周辺」だよね。
その都市中心部なのに、夕方の交通量の激しい時間でも、なにより最優先されちゃう「舁き山」。
この地域での「山笠」の大事さ、みたいなものが伝わります。
きっと参加している人たちも、この時期、朝夕と頻繁に山笠関連の行事があって、仕事なんか手につかないだろうけど、それも「山笠だからしかたないよね」なのかな……。
本番ではないものの、迫力ある山笠パワー、そして参加する人たちや地元の「山笠大事」具合を思い知ったのでした。
「追い山」はテレビで拝見しました
翌15日早朝、4時半からTVで追い山を生中継していました。
しかも3局同時中継。
同じお祭りの中継を3局でやる!? とまたそこでもびっくりしました。
早起きする自信がなく、NHKを録画し、15日の昼間に見ました。
そこでさらにびっくり。
「追い山」とは速さを測るものなのですね!!!!
前日の街で見かけたスピード感は、このためだったのか!!
マジで、何もわかってなくてすみません!!
第1弾が、櫛田入り。これがメインイベントなんだそうです。
まだ日が昇らない午前4時59分、カウントダウンから「やあ!!」という掛け声とともにスタートダッシュし、櫛田神社の「清道」をぐるりと回るまでの時間。
大体30秒から35秒くらい。
そして第2弾。櫛田神社から、ゴールに当たる 「廻り止め」まで約5kmの道のりをノンストップ。
途中で随時交代しながら進むそうですが、30分前後で行くそうです。
まじですか……。
私がジョギングするスピードと変わらないくらいの速さで、あの巨大な「山」を担いで走るんですか。
もちろん、スピードによって表彰されたりするものではなく、あくまで神事のおまけ、らしいですが、面白いお祭りだなあ!
それにしても、この距離を、あの人数で随時交代しながらスピードを保ったまま走りきる。
相当の練習が必要ですよね……。
てっきり「祭りの時だけ戻ってきて参加する」みたいな、気軽な参加方法かと思っていました。東京ものの浅はかな考えで申し訳ありません。
これ、相当普段から練習を積み重ねてないとできないんじゃないかな……。
少なくとも5kmは走り切れないとだめだし、役割もあるし、コースもジグザグしてるから曲がるのに技術必要そうだし。
すごいすごい。
ちょっと想定以上のすごさで、テレビで見ながら興奮してしまいました。
練習でも「すごい迫力!」と思いましたが、やっぱり追い山は熱気が全然違うんですね。
今年はどんなものかわからなかったこともあり、最後はテレビ見学にしてしまいましたが、来年は、夜明けの博多の街を走る舁き山を観に行ってみたいものです!!