こんにちは、つたちこです。
長崎の五島列島「上五島に隠れキリシタンの里を訪ねる旅」の番外編。
九州本土にある「長崎市 遠藤周作文学館」を訪ねました。
遠藤周作文学館が長崎市外海地区にある理由
遠藤周作文学館があるのは、長崎市外海地区。
ここは、かくれキリシタンの里として知られていて、遠藤周作の代表作「沈黙」の舞台の一つにもなった場所。
遠藤周作は取材のために外海地区に訪れていたそうです。
その後、昭和62年(1987年)、外海地区に「沈黙の碑」が建立。
碑は「沈黙」に登場する架空の「トモギ村」があったとされる場所の「出津文化村」の一角に建てられ、その碑にはこのように記してあります。
人間がこんなに哀しいのに 主よ 海があまりに碧いのです
遠藤周作は、この外海地区に非常に思い入れがあったそうで、この場所に文学碑ができたことをとても気に入っていたのだそう。
そして、1996年に73歳で亡くなったあとに、複数の候補地から選ばれて、この外海地区に文学館が建設されたとのこと。
生誕の地や育った場所ではないものの、本人の思い入れの深い土地、というのが選ばれた大きな理由の一つのようです。
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アクセス方法
遠藤周作文学館があるのは、長崎市東出津町。
長崎市の市街地からはちょっと離れたところにあります。
車の場合
車で行く場合は、長崎駅周辺からだと国道202号を使って、約40分。
今回私たちは車で行きましたが、ちょっとした海沿いのドライブコースという感じです。
道は広くわかりやすいので、迷うことはありませんでした。
バスの場合
長崎駅方面から、バスが出ています。
参考
http://www.city.nagasaki.lg.jp/endou/access/
長崎バスの「桜の里ターミナル」行きに乗車。「桜の里ターミナル」で「大瀬戸・板の浦」行きに乗り換えて、「道の駅(文学館入口)」で下車します。
長崎駅から約75分だそうです。
また、「長崎新地ターミナル」発「大瀬戸・板の浦」行きというバスもあり、これだと乗り換えなしで約60分で行けるそうです。
外海地区の潜伏キリシタンに関連する施設を回る日帰りツアーもあるようです。
自由度は低くなりますが、このようなツアーを利用すれば外海地区を効率的に回れてよいですね!
参考
世界遺産候補ツアー 潜伏キリシタンの里そとめ
http://www.n-yuranbus.com/tour/index8.php
企画展:遠藤周作「沈黙」と長崎
私たちが訪れたのは2017年11月。
第9回企画展「遠藤周作『沈黙』と長崎」を展示していました。
長崎を訪れる前に、映画「Silence」を観ていたこと、上五島で教会や隠れキリシタン拷問の石碑、潜んでいた洞窟を見ていたこと、なにより、私自身が遠藤周作好きだったこともあり、展示内容はもう非常に満足感の高いものでした。
常設展示では、遠藤周作が生前使っていた机がそのままの雰囲気で展示されていました。
ここであの作品群を作り上げたんだなあ、とジーンとしました。
企画展では、「沈黙」を中心にした直筆原稿やメモの数々が展示されていました。
アイデアをいくつも書いたり、書き直した後や、検討した後などが生々しい感じで、こちらでも感動。
昔読んだきりだった「沈黙」をもう一度じっくり読みなおそう、と思いました。
また、展示室Ⅱは映画「Silence」を中心とした展示でした。
使用した小道具なども展示してあり、映画を見たときの感動がじわじわよみがえりました。
遠藤周作ファンにとっては、本当に聖地のような場所です。
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遠藤周作文学館から見える絶景
遠藤周作文学館の素敵なところは、展示だけではありません。
この文学館の建っている場所が、本当に素敵です。
海のそばの高台にあり、角力灘(すもうなだ)を見下ろす最高のロケーションなのです。
訪れた日はよく晴れた日だったのですが、遠くまで島影が見え、青く光る海が本当にきれいでした。
この美しい海で、隠れキリシタンの悲劇があったのか、というのが信じられないような事実です。
あまりに美しいが故に、かえってなんだか悲しくもなってしまいます。
夕方には、西に沈む夕日が見られるのではないかと思います。
それもまたとてもきれいでしょうね。
まとめ:遠藤周作好きには大満足の展示内容
遠藤周作が好きな人には、とにかくたまらない展示内容だと思います。
直筆メモの一つ一つをじっくり読んでしまうと、時間がいくらあっても足りないくらい。
丁寧に読んでいけば、本を一冊読むくらい(いや、それ以上?)のボリューム感があるように思いました。
ぜひじっくり時間をかけて、本を読むように展示を見ていくことをお勧めしたいです。
同時に、外海地区の海の美しさも堪能できるので、遠藤文学の世界に浸るにはぴったりの場所だと思います。
2018年7月には、「思索空間アンシャンテ」という新施設もオープンするそうです。
「雄大な外海の海を眺めながら、信仰について静かに思いを巡らせる空間」なんだそうです。
「沈黙」をイメージした絵画やピアノがおかれ、海に面してソファでゆっくりできるとのこと。
展示を見た後で、ゆっくり思い返すのに、いい場所かもしれませんね。
また、「道の駅 夕陽が丘そとめ」がすぐそばにあるので、地元産の山の幸、海の幸などのお土産をこちらで買って帰るのもおすすめです。
私たちは、お店に売っていたみかんアイスをいただきました。
11月だけど暖かい日だったので、きれいな海を眺めながら食べるアイスがひんやりとしてとてもおいしかったです。
現在、世界遺産候補として、「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」が候補にあがっています。
もし、潜伏キリシタン(かくれキリシタン)関連施設を観に長崎を訪れるのでしたら、少し足を延ばして、ぜひ外海地区の遠藤周作文学館にも行ってみてください!
長崎市 遠藤周作文学館
長崎県長崎市東出津町77番地
http://www.city.nagasaki.lg.jp/endou/
長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産
http://kirishitan.jp/